大分県の久住連山・平治岳(1684m)は全山が満開のミヤマキリシマに覆われ、その美しさと雄大さはまさに息をのむほどでした。福岡支部と久留米クラブによる恒例の久住登山は6月14日、福岡から5人、久留米から4人が参加して行われました。福岡勢は朝6時24分発の西鉄特急で久留米に向かい、久留米勢と合流して2台の車で久住に向かいました。
毎年春と秋の2回、久住山(1787m)に登っていますが、今回はミヤマキリシマが美しい平治岳へ。北面から山頂を目指しました。登り始めはブナ林で新緑が目にしみ、鳥のさえずりに心浮き立つ心地でした。1時間ほど経った頃から山は様相を変えました。傾斜はきつくなり、地面はぬかるんで思うように歩けません。不安定な梯子やロープをつかんで登るところもあり、息は切れ、声も出なくなりました。
3時間余りで全員頂上に達し、記念写真を撮りました。下りは南面です。階段が切られていますが、1段1段が高くて、一歩一歩慎重に下りなければなりません。皆が黙々と下りていると、誰かが「後ろを見て」と大きな声で言いました。振り向くと山一帯がミヤマキリシマに覆われ、全山がピンク色です。「うわー、すごい」。言葉にならないほどの美しさでした。自然の厳しさと優しさ、美しさを感じた1日でした。
秋は山が燃えるような紅葉の久住山に登ります。(写真・石田美紀子、文・藤野修平)